2011年 03月 20日
今月号のStereoSoundは編集後記から読み始めました。 編集長が変わってはじめての発行となるので、やはりこの辺が一番気になりました。 この方はこれまで「レコード演奏家訪問」の取材の際菅野氏と同行されていた経歴をお持ちのようです。 内容は「STEREOSOUND誌根底にあるメッセージは変わっていない」とのこと。 その言葉を記憶にとどめながら、というわけではありませんが、そのまま逆にページを括っていきました。 まだすべてを読んではいませんが、全体的に以前とは違い「新製品情報ありき」のような印象を受けました。 「では、以前はどうなんだ」と仰る方がおられると思いますが、 「読者の欲しいモノ(情報)があって、または予測して雑誌をつくる」というような姿勢であって、そのような方向性とは大分違うということです。 これはなにも否定しているわけではありません。 中には私がいま最も気になっているデジタルファイル再生の記事があり、これはこれで非常に興味を持って読ませていただいたが、これはあくまでも興味を持っている読者の意見であり、 「パッケージメディア」以外認めたくない、またはデジタルファイル等は選択したくない」方などから云わせると、読み飛ばすばかりか今後の購読を考え直すかたもいらっしゃるかもしれません。 以前は、デジタルファイルに対しては、若い年齢層の方々がCPからダウンロードし、電車またはバスなどの交通機関を利用しての移動中に気軽に音楽を楽しむための手段であって、オーディオを趣味と公言している私としては、認めたくない内容のものでした。 STEREOSOUNDO誌では菅野沖彦氏も、これまでのオーディオの趣味性(盤そのものを購入し所有する喜び、それにはジャケットがありまた、盤を機器でかけるアナログ的な所作等々)がないところをとっても、それを採用するつもりはないというような記事が何度かあり、余計に自分にとっては関係のないこととおもっておりました。 そのような理由から、今後のオーディオのあり方に不信感をお持ちになる方はいらっしゃると思いますし、関連の記事が多くなっていけば、おのずと購読する意欲は薄れていくこと間違いありません。 それは当然のことで、私自身もいつもそのような内容と新製品の記事ばかりでは同じ気持ちになってしまいますので、 そこではじめに云った「読者の欲しいモノ(情報)」も企画して欲しいのです。 以前は、単に眺めるだけで楽しい気がした、 菅野氏の「レコード演奏家訪問」 そして、ついつい自分でも実践してみたくなる 石井伸一郎氏の「イコライザーのすすめ」 など このような、だれでものぞいてみたい他人のシステム、そして、雑誌の記事ではあっても実践することで音となって感じることが出来るような内容は、読者の欲しいものそのままなのではないでしょうか。 以前のBLOGで今後のSTEREOSOUD誌に期待することとして、前編集長小野寺氏の今後の活躍を挙げましたが、彼の発言や編集部に対する要望や提案により、より楽しめる雑誌になっていくよう期待します。 しかし、デジタルファイルミュージックについてですが、 それはいつしかこれまで得られていたあらゆる手段の音質を上回る(らしい)ものになっているのであれば認めざるを得ないことではないかと思うようになり、今では特に気になる事柄にまでになっております。 でも、オーディオは高音質(これも一概にこれといったすべての人共通ではない)だけが良いとは言えないはずなので、今後メーカーのとるであろういずれかの方向性は責任重大と云わざるを得ません。 これはあくまでも私個人が受けた印象なので、全くそのようには思わない方がいらしてもそれは当然のこと。 みなさんはどのように思われましたか。 さて、今日はそのSTEREO SOUNDの紙面で小野寺氏がお気に入りの盤ということで挙げていた [JOHN COLTRANE/CRESCENT] ですが、 じつは私もこのアルバムは大好きでありまして、 特にA-2 [WISE ONE]はお気に入りです。 この曲の魅力はなんといってもコルトレーンのソロにありますが、 それはアルバム全体で云えることで、 これまでの自分を打ち破るために悶え苦しんだ挙句、 新しいカタチ(スタイル)で挑んだ作品のような感じがします。 それを聴くためにANALOG PLAYERのスイッチを・・・ そうか、左の音がならないのか。 で、少し(10秒ほど)考えた挙句、「よし!」と原因追究をすることに相成りました。 PRI AMP(C33)のPHONO1から2への変更、PHONOケーブルの接触不良、カートリッジの交換等々。 結果、カートリッジケーブルの差し込み部分が大きくて、接続時ガタがあったことが原因でした。 晴れてここでCRESCENTに針を下したのですが、 ELVIN JONESのシンバルが「グジュグジュ」と水面のあたりで鳴らしているかのような音なのです。 この段階まで来ると大して面倒とも思わず、乗り掛かった船ではないですが、すぐ改善策にとりかかりました。 はじめは接続部のクリーニングやら針圧の調整をしていたのですが全く改善の兆しが見えなかったので、 はじめから(アームを盤面に対して平行にし、高さを調整し、その後針圧を上げる)やりなおしました。 そうしたらどうでしょう。 見事に音に濁りがなくなりました。 これまでいかに「いい加減」にしていた(メンテナンスをしていない)のかがわかります。 でも面白いもので、 放っておくと良くない音が出て、調整を怠らないとそれに応えて(かどうかはわかりませんが)良い音を出してくれるなんて、 ボンネットを開けるとキャブレターが「デン」と構えていたころの車と同じで、 手をかける楽しみを改めて感じることが出来ました。 おかげでANALOGがまた楽しく思え、そしてPLAYERがまた欲しくなりました。
by pat_mthny7205
| 2011-03-20 17:13
| audio
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