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2015年 02月 01日

久かたぶり

ことし初の散髪に出かけてお昼はお気に入りの洋食屋で750円ランチを食しいったん帰宅
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三十分ほど昼寝をしたのち半年前に購入しておいたチケットを持って出かけて行った先は久方ぶりのフィリア・ホールです
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奏者はトロンボーンの清水真由美さん

現在南西ドイツオーケストラの首席奏者

画像などで見る笑顔はそのままで更にコンサートでお会いしたらしぐさがキュートな方でとても好感が持てました
技術的には素晴らしくスライドワークだけではなく音域の離れた音の切り替えの早さと正確さ、
そして音色の使い分けや弱音でのロングトーンなどいちいち目を見張るものがあった

使用している楽器は通常みるトロンボーンより管が長いようです
しらべてみると一般的なトロンボーンはトランペットの -1 octとのことなので同じB♭管ということになりますね
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ゲストとして同じステージで演奏した
トランペット奏者ルカス・ゴットシャルクの楽器はC管なので音色はとても明るく華やかです

同じ曲でもCとB♭でスケールを変えて演奏した場合だれでも違う印象を感じるはずですが、
私のようにB♭管に馴染みがあってもなくても一音下の音色及びスケールには落ち着きと心地良さを感じると思います

ジャズの場合では特にそこが生きてきます

さてコンサートについてはこの楽器がソロパートとしてあまり用いられない楽器ということもあり、
演奏された楽曲のほとんどが最近の前衛的な楽曲かと思いきや、
400年前の後記ルネサンス~初期バロックのころの楽曲を、
トロンボーンの前進ともいえる「サックバット」という楽器で演奏もしてくれました
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まずその小さいベルに目が行きますが音色は良く耳にするTrbのそれで、
スライドも長いところから音域も特に極端に下が出ないなどということは気になりませんでした

アンコールではバストランペットと思われるバルブ楽器に持ち替えての演奏もありました
「サックバット」の時の楽器の説明と違いこちらについては特に彼女のコメントはありませんでしたが、
良くTrb奏者が演奏する楽器の様です

バルブに変わっての演奏もとてもスムーズでしたが、
さすがに早いパッセージの部分ではストロークの長い(笑)バルブを押さえるのは大変そうでした
(B♭、C管よりもストロークは長いと思います 多分)

さて、その他は先に述べた最近の作曲家によるアヴァンギャルドな楽曲です

ピアノデュオといえる数曲はそれでもシェーンベルクなどとは違いとても難解というほどではありません

それぞれの楽器の音が複雑に絡み合う様ではなく、
また不協和音には違いないがピアノとの音域が離れた音のアンサンブルのせいか違和感を覚えてしまうことはなくとても入り込みやすかったという印象が残っています

Trbという楽器の特徴を良く知っているかのようでもある良く出来た作品で、
朗々と歌うそのさまはまるで生き生きとしたひとつの生物のようであり、
そこに命を吹き込むことができるのは選ばれた人間だけが出来ることなのは間違いのないことと云えるでしょう

さて、このコンサートはさきほど述べたようにご本人の演奏する楽曲が前衛的ということから、
途中 Trp と P 、そしてピアニスト フランソワ・キリアン(リスト、ショパン、ベートーヴェンほか数々の楽曲をレパートリーに持つ1962年!?生まれのフランスのピアニスト)のピアノ・ソナタといった、
ところどころで肩の力を解すまたはオーディエンスのリラックスできるともいえる楽曲も取り混ぜた(彼女の)気遣いが窺えた

正直その効果はあり、そして私自信も感じられたと云えます

暖かなTrbの音色で奏でられた、しかし緊張感をもって挑む奏者の気持ちが伝わってくる演奏

オクターブ違うブラスのとてもシャープな音で繰り返されるタンギングとハイトーンがとても気持ちの良い楽曲

そして古楽曲色が満載のビブラートのないヴァイオリンとサックバット、そしてオルガンのアンサンブル
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更に会場を和ませる愛嬌ある表情とエレガントな演奏を聴かせたピアニスト フランソワのソロ

中でもプーランク:インプロビゼーションNo.15「エディット・ピアフを讃えて」は、
一瞬にして会場の空気が変わったのが手にとるようにはっきりとわかったほどです

そしてなんといっても世界初演、石川千晶作曲(2014年 委嘱)の「シュピールロイメ」
清水真由美が「私だけが演奏できるトロンボーン作品が欲しかった」という曲

この「シュピールロイメ」とは「遊びの空間」という意味
三楽章からなる楽曲で作曲者がトロンボーンという枠を越えて、奏者の表現力を余すところなく引き出そうとした作品です

秀逸なのは清水真由美のタップ!
彼女の母から「あんた踊りくらいしたらどうなの?」といわれてチャレンジしたほど(笑)のウデマエ

トロンボーンを両手で抱えリズミカルにそして笑顔まじりに楽しげに繰り広げられるタップは見応え十分!!!

時折トロンボーンを吹きながらのタップを観たときは、
すべての音楽家、芸術に対してのイノベーション(技術面だけの意味ではない)ではないかとさえも感じた程です

彼女はこの日に自分がどれほどのことをしたのか(聴衆に対する影響を与えたか)分かっているのか否かは知りませんが、
少なくとも私がこの初演にまえから2列目の真ん中から一つとなりの席に居たことにいまでも幸せを感じていることは事実です

ドイツで数々のオーケストラや有名なアルバム(小澤征爾さん復活ニューヨークライブ サイトウキネンオーケストラの一員として参加)に参加し、
女性として初の首席トロンボーン奏者という素晴らしい才能の持ち主(努力家でもあるのでしょう)

今後一層のご活躍を期待しています


by pat_mthny7205 | 2015-02-01 22:49 | concert | Comments(0)


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